深圳の文化的な本屋:「坪山文化クラスター・ブックモール」

伝統と現代が交錯する、ユニークな空間デザイン

深圳市坪山区に位置する「坪山文化クラスター・ブックモール」は、地元のハッカ族の伝統的な建築スタイルを取り入れた、ユニークな空間デザインが特徴の本屋です。デザインは「ジャン・アンド・アソシエイツ・クリエイティブ・デザイン」によるもので、2021年のA'インテリアスペース、リテール、エキシビションデザイン賞を受賞しています。

「坪山文化クラスター・ブックモール」は、坪山区のハッカ族の伝統的な建築スタイルを取り入れたデザインが特徴です。ハッカ族の伝統的な家屋は、長い年月を経て独特のスタイルを形成してきました。この本屋の空間デザインでは、伝統的な具体的なデザイン手法を捨て、ハッカ族の「場所の精神」を抽出し、それを空間デザインのコンセプトに取り入れています。

本屋の空間は、「四角」と「円」の二つのゾーンに分けられています。「四角」のゾーンは若者向けで、中央の活動エリアを中心に全体のレイアウトが展開されています。「円」のゾーンは家族や子供向けで、円や曲線のレイアウトが採用されています。これらのデザインは、ハッカ族の伝統的な建築スタイルを反映しています。

また、本屋のデザインは、社会メディアの普及により伝統的な本屋の主要な読者層が減少している現状を踏まえています。そのため、「商品+空間」の組み合わせモデルへの変革が求められています。デザイナーは、人口特性と行動パターンに基づいて多様なレジャー場所を設け、使用シーンの自由な切り替えと並行共存の可能性を提供しています。

しかし、この本屋のデザインには困難もありました。本屋は建物の両側に位置しており、中央に半屋外の通路でつながっています。そのため、両側の空間のつながりを強化することがデザインの難点となりました。デザイナーは、ハッカ族の文化の歴史的価値と建築スタイルを深く理解し、建物の両側の空間を「四角」と「円」の二つのデザイン属性と定義しました。

このようなユニークなデザインは、伝統と現代が交錯する空間を創出し、訪れる人々に新たな体験を提供しています。「坪山文化クラスター・ブックモール」は、本屋の新たな可能性を示す一例と言えるでしょう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Jiang & Associates Creative Design
画像クレジット: Zeng Tianpei
プロジェクトチームのメンバー: Jiang & Associates Creative Design
プロジェクト名: Pingshan Cultural Cluster Book Mall
プロジェクトのクライアント: Jiang & Associates Creative Design


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Pingshan Cultural Cluster Book Mall IMG #5
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